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「では……それを踏まえて今藁先生に聞きましょう」
「なんでありんす?」
「"切断された腕"の魂を回復させたら……どうなりますか?」
「……"幻肢痛"が収まるんじゃろ?」
そして、魂の回復とはを説明した後に危に秋平は質問した。
「いえ……もう一度考えて下さい。
傷を負った魂を回復させると、後遺痛がないまま肉体の傷を回復……塞ぐんですよ……」
「「「「「「あっ!!」」」」」」
しかし、秋平は危の答えを否定し再度説明を加える。
すると、声を出すなと言われていた者も気付いた様に声を上げてしまった。
「全員、分かった様ですね……雀宮が邪魔者を殺してでも、聖ヴァチカンがスカウトしてでも欲しい菊ちゃんの魂治癒魔法は──」
「"切断された腕"を"再生出来る"って事じゃねぇか……っ!!」
「……正解です、昔連先生。
ただ、それだけじゃない……。
腕を炭にされ様が、消し飛ばされ様が、粉々にされ様が……後遺痛すら遺さずに再生出来る。
それが目や内臓であろうともです。
……腐っても枢機卿……1回見ただけで菊ちゃんの隠された才能に気付くとは」
「……私に……そんな力が……っ!!」
腕を再生させる……つまり、無い肉体を創造するという人知に反した力。
にわかに信じられない内容だが、"灯火"というビックネームが彼らを信じさせた。
だが、秋平の話は終わりじゃなかった──
「ただ……菊ちゃんの魂治癒魔法においてそれは付属に過ぎません」
「なっ、なんじゃと!?
肉体を再生させる事が付属……でありんすか……なら、何がメインなのじゃ!?」
「…………人は、死んですぐに魂が肉体から離れる事はない。
精々5分程ですが……魂は肉体……もしくは、肉体が塵になった所に残り続けます──」
「ちょっ、ちょっと待て!!
俺は分かった、分かっちまったよ今のお前の言葉で…………つまり、東雲の魂治癒のメインってのは──」
「──はい」
危が秋平に慌てて聞くと、秋平は菊を見て続けた。
すると、今度は幽羅が興奮した様に秋平に聞くと、秋平は頷いて……驚愕の事実を言った。
「菊ちゃんは……死んですぐの肉体の魂を回復させ、生き返らせる事が出来る……歴史上初の……"蘇生術師"です。
肉体が消えうせても、魂に形をつけられる……世界で唯一の存在」
「「「「「「っ!!」」」」」」
既に、彼らは息を呑む事しか出来なかった。
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