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とりあえず"変質者"からの危機を乗り切った脩兵達。
しかし、彼らの長い物語……特に脩兵の長く辛い物語の幕開けはすぐそこまで来ていた。
「「「ふぅ~」」」
三人同時に息をついた。
そのタイミングが合いすぎて──
「「「ぷっ、あはははははは!」」」
──これまた三人で笑い声を上げる。
「いやぁ~、本当に助かったよ!!
ええと翔君に一流君だったよね、ありがとう」
「いえ、当然のことをしたまでですよ!!」
脩兵のお礼に照れ臭そうに頭をかく翔に対し──
「しかしまぁ~、本当にいるんすね……あんな変質者」
──こちらも頭をかいているが翔とは違って疲労を表に出したような顔をしている。
「いやぁ~流石にありゃ特殊でしょうよ。
あの"変質者"ゲーム好きっぽいし、どんなゲームの変質者参考にしたんだよ」
少し苦笑しながら言う脩兵の言葉に翔と一流はまた吹き出した
「あはははは!!
いや、流石にあんな変質者が出てくるゲームはないですよ!?」
「くくくっ!!
そうっすよ、あるんだったらプレイしてみたいっつうの!!」
「それもそうだよな!!
君達の言う通りだ、ははは!!」
やはり緊張の糸が解けたのだろう(正確には脩兵と翔の"二人"だけだが)くだらないことでも笑えてしまう彼らだった。
〔一流はくだらない事が大好きです。〕
散々笑った後、一流がこう切り出した。
「いやぁ~あんた面白いっすわぁ!!
是非とも友達になりたいっす。名前聞かしてくんないですか?」
「っ!!
一流、年上の人に失礼だよ!!
あんたじゃなくて貴方でしょ!!
それに、くんないですか、じゃなくて、いただけますか、でしょ!!
だから一流はいつも学校の先生に──」
「ストォォォプ!!
うるせぇな、わかってるよ!!
てめぇは進路指導のハゲ山かよ!!」
「ハゲ山じゃなくてハゲ山先生でしょ!!」
「ハゲ山って誰!?
ていうか翔君も失礼っちゃ失礼だよね、それ」
「あっ、そっか!!
陰山先生の間違いだった!!」
「陰山だからハゲ山か……その人がハゲてるんだったら言いたくなるよな」
「「ハゲて(ます)(るっす)!」」
「そうか……どういう風に?」
「「……シャンプーハット」」
「どんなハゲ方してんだよハゲ山!?………あっ」
「「ハゲ山って言った」」
「「「あはははははは!!」」」
また笑い出す彼ら。
「そっ、そうか。
なっ、名前だっ…だったよね…」
笑いを抑え切れずに脩兵が言う
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