"prologo"-プローロゴ-

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「はあぁぁ~。 給料日まであと5日かぁ……頑張った頑張ったぞ俺、自分を褒めてやりたいぜ!!」 長いため息をつき、自分の頑張りを褒め讃える彼の仕事は皆さんの想像にお任せするとしよう……。 (この会社に来て1ヶ月になるのかちょっと短く感じたな、この1ヶ月……っていけね、早くしねえと電車間に合わねえ!!) 慌てる彼、急いでタイムカードを押── 「お疲れ様です!先に失礼します!」 「おう!お疲れ」 「気をつけろよ、最近変質者多いからな」 「お疲れ……相変わらずいい尻してやがる」 「お疲れさん。 あとBさん、内部に変質者がいました!!」 「「そうか…とりあえず縛っとけ」」 「縛り方は?」 「「「亀甲○ンで」」 「醤油は嫌だああああああああああアああアあ!!」 「もうちょい……こうかな」 「……………ウホッ」 (Dさんなんで亀甲なんてできんだよ、相変わらずCさん変態だし……っ) ──すこともなく挨拶をしっかりし、会社の一風景をみてから押したのであった。 「おい、もう帰りか?」 「……はい、お疲れ様です。 先に失礼します……っ!!」 「先輩がまだ仕事してるのに先に帰るのか? まぁ別に構わんがな……」 「すみません、お先に失礼します」 先輩に礼儀よく挨拶をする彼……しかし、内心は── (構わんなら黙ってろや!!) ──上司に対する悪態だった。 これもまた彼の会社の一風景である。 「っし、帰るか、電車来ちまうし!!」 そして彼は会社から家に向かい始めた。 そう、二度戻ることのない家に。 この後自分に起こるいつもと違う帰り道に向かって。
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