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(やっぱりこの歌最高だな、テンポがよろしい)
帰り道、いつも聞いてる音楽を聞いてテンションをあげている彼…"大山 脩兵(オオヤマ シュウヘイ)"は汚い鼻歌を刻みながら歩いていた。
「何が汚いだ畜生!!」
「ママぁ~あのおにいちゃん、いきなりおおきいこえだしておもしろいねぇ~!!」
「ダメ、目を合わせちゃだめよ!
最近噂になってる変質者はきっとあの人なんだから!!」
「"へんしつしゃ"ってなぁ~にママぁ?」
「ゆう君みたいな、ちいちゃい子供の体触ってなめなめするお仕事してるいけない大人のことよ!」
「あのおにいちゃん、ゆうのことなめなめするの!?
いやだ、ゆう、なめなめされたくない!!」
「そう、だから早く行くわよゆう君」
「うん!!
"へんしつしゃ"おにいちゃんなんか、だいきらい!!」
親子は歩いていってしまった…
(いやいやいやいやいやいや!?
俺子供触らないし、なめなめしないからぁ!!
勝手に嫌わないで頂きたい!!
つかあのお母さんの変質者のイメージ酷くね!?
と言いつつしっかりとダメージを受けるこの俺って……悲しい……っ!!)
と、少し涙をこらえて突っ立っていると──
「痛って!!」
……人とぶつかってしまう。
「うわぁ!!
すみません、大丈夫でしたか!?
本当に申し訳ありません、勝手にぶつかってしまって!!
お怪我はありませんか、ああああ…服も汚してしまってすみません!!」
脩兵とぶつかった人物は凄まじい速さで頭を下げる……。
「いや、大丈夫。
大した怪我もしてないから」
「すみません、こいつが!!
ったくちゃんと前みて歩けよ……はぁ~」
(もう一人いたのか!気付かなかったな……)
「つ~か、謝りすぎだ!!」
「ごっ、ごめん!!」
「だから、すぐ謝る癖直せよ!!
自分が悪くなくても謝ってる時あんぞお前……」
脩兵の前で口論が始まり、脩兵は焦る。
「あの~ごめんね、俺も前みてなかったからさ。
お互い様ってことで片付けよう」
とりあえず脩兵は謝る事にした。
そして、その二人の男子高校生はもう一度俺に頭を下げ歩いていった。
(なんか災難だったな……変質者に間違えられて、ぶつかって転んで、厄日かな?)
だが、彼はこの時はまだ知らない。
先程の少年にぶつかったことにより自分の運命が変わってしまったことに……
彼が運命反抗勢力(デスティニーレジスタンス)だと……
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