通りすがりのライフセーバー

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………殺す… あいつら殺す!!! 「…ふぅ」 殺意があふれでる私にも 気づかず隣のライフセーバーの男はため息をついた。 私はライフセーバーの男を睨んだ。 「…助けてもらってありがとうございます」 一応助けてもらったから お礼を言うが 怒りがこもっているからか 全くの棒読み。 「いやいや、どういたしまして」 ライフセーバーの男は ニコニコしてそう言った。 …ふん。皮肉ったらしい言い方… はぁ、飲み物買いに来たけどもういいや、海の家に空気いれるやつ借りに行こう。 「…ありがとうございます、じゃあ私はこれで」 私が海の家にむかって 歩き出すと 「ぁ、俺も仕事戻んなきゃ」 と、ライフセーバーの男は言って、隣を歩くように付いて来た。 「…あの」 「…ん?」 私はライフセーバーの男に 怪訝な視線を送る。 「なんで、ついてくるんですか?」 「別に?行く場所が同じだからじゃないの?」 ライフセーバーの男は 平然と答える。 「…なら、 隣を歩かないでくれますか」 「名前なんていうの?」 「…人の話聞いてます?」 「え?あ、隣? 海の家向かってるんでしょ? いいじゃん、途中まで一緒に行ったって で、名前は?」 …初対面なのに…馴れ馴れしい… 「…秘密です」 「…ええ、教えてくれないの? じゃあ、年は?いくつ?」 「…18」 「うわ、ガキじゃん」 …は? 私はまたイラッとした。 .
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