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「みずきー、電話よー」
下の階からお母さんの声が聞こえた。
わざわざ家に電話って
誰かな…
私は部屋にある受話器を取った。
「もしもし…」
『どうもー!みずきちゃん!?
久しぶりねー!』
…ん?この声は…
「…かなえおばさん?」
『そうよー!
ちょっとね、みずきちゃんに頼みたいことがあって
電話したのよ』
かなえおばさんは
田舎に住む、私のお父さんの妹。まぁ、私のおばさん。
おばさんは海の近くに住んでいて毎年夏は海の家を営業している。
「なに?頼みたいことって」
『あのねぇ、今年も海の家
やってるんだけど
去年より大盛況でね、
人手が足りないのよ!!
だから、夏休みの間だけでもいいから手伝ってくれないかしら?
もちろん、バイトとして
お小遣いもあげるから!』
うわぁ…
海とか…
あんな暑いとこで働くわけ?
でもお小遣い…
…お小遣い……
……お金…
「や、やるよ、手伝うね」
結局お金に負けた。
『ほんと!!?
じゃあ、明日からこっち来てくれる!?
泊まり込みだけど大丈夫?』
「うん、平気だよ」
『じゃあ、部屋空けとくから
荷物もって明日きてね!』
電話が切れた。
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