0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
ふたつめ
この理不尽な世界を憎んだ。
神も仏も信じないと誓った。
自分だけが生き残ってしまった事を心底悔やんだ。
全ての事に絶望し、
こんな自分を引き取って面倒を見てくれている祖父と祖母にさえ、心を閉ざしてしまっていた。
どうして、自分がこんな目に会うのだろう。
どうして、家族が無くなるような事がおきたのだろう。
そんな悪い事なんてしていないはずなのに。
どうして。
どうして。
自分のせい。
自分が悪い。
自分が好きな人は居なくなる。
なら出来るだけ関わらないようにすればいい。
それからずっとずっと、学校でも祖父母の家でも一言もしゃべらない日々がずっと続いていた。
いつもの祖父母の家からの
いつもの学校への
登校
いつもの学校からの
いつもの祖父母の家への
帰宅
毎日同じ事の繰り返し。
そしてこれが、自分の日常としてずっと続いて行くんだなぁとなんとなく思っていた月曜日。
その日、彼女が転校してきたその時に、僕の世界はまた1度変わり始めた。
少し懐かしい暖かなる光の世界に
最初のコメントを投稿しよう!