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朝になった。
窓から射し込む日差しはひどく眩しくて、今日は晴れていることが分かる。
私はむくっ、と起き上がって、目を擦った。
――あの後のことは、あまり覚えていない。
気づいたら、ベッドで横になっていて。
あれからお母さんとは言葉を交わさなかった。
「早く支度しなきゃ……。」
正直、お母さんと顔を合わせるのが怖い。
あんなことを聞かれるなんて、思わなかった。
……ううん、違う。
聞かれるのをずっと、避けてたんだ。
『美雨ー? まだ寝てるのー?』
一階からお母さんに呼ばれる。
いつもと何も変わらない、お母さんの声だ。
「大丈夫、起きてるよ。」
ドアを開けて答えると、
『朝ご飯できてるから、早く降りてらっしゃい。』
と、優しい声音で返ってきた。
支度をしようと、とりあえずベッドから降りると。
「あっ」
布団が引っ掛かって、カシャン、と何かが落ちた音がした。
ベッド下に手を入れて探ると、指先にヒヤリとした感覚。
それを引っ張り出すと、それは朝日を浴びてキラリと反射して。
銀色に輝くのは、ミニチュアのバスケのシューズだ。
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