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……私の、宝物。
ミニチュアのバッシュがついたストラップ。
小さなバッシュには青いラインが入ってたりして、結構精巧に出来てて。
私のものじゃないのに、すごく気に入ってる。
私はいつもこれを制服のポケットに入れて持ち歩いて、お守り代わりにしてた。
お昼の時に見てたりするけど、それを玉置くんが見てたみたい。
「でも……遠くから見て、これだって分かるのかな……」
お互い屋上でお昼を食べてるとはいえ、結構距離は離れてるのに……。
それにこんな小さなもの、遠くから見て分かるのかな。
でも、玉置くんって視力が良さそう。
『ほら美雨ーっ、早くしないと冷めちゃうわよー。』
「は、はーいっ」
呑気に考えてる時間はなかったんだ。
大変、遅刻しちゃう。
慌てて制服に着替え、部屋を出ようとして、はっ、と思い出して。
――私の宝物、バッシュの付いたストラップ。
「……忘れるところだった。」
いつも制服のポケットに入れて、お守り代わりにしている。
泣きそうになっても、これがあるから私は泣かないで済む。
――『泣くな』って、あの男の子が言ってるような、そんな気がするから。
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