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『まもなく、三番線に電車が参ります。黄色い線の内側まで、お下がりください。』
ホームにアナウンスが響き、周りの人達が動き始める。
それは私や早川くんも例外じゃなくて。
「ほら、美雨ちゃんも電車乗るっしょ?だったら早く行こうぜ?」
「あ、うん。」
人が多いから、いつもより乗るのが大変そう。
押されたりされたら転んじゃいそうで不安。
「――あ、電車来た。」
早川くんのその声に、私はカバンを肩に掛け直して、乗る準備をする。
電子音と共に、ドアが開いて。
吐き出される乗客の中をかき分けて、ドアに向かう。
「――おっと。」
「あ…すみませんっ」
すれ違う人とぶつかったりして、なかなか前に進めない。
でも、強引に突破する勇気は私にはなくて――。
「――何やってんの。」
「え? ――きゃっ」
耳元で誰かの声が聞こえたかと思うと、ぐいっ、と手を引っ張られて。
そのまま手を引かれ、電車のドアに向かう。
……あれ?
人混みの中をどんどん進んでいくその背中が、見覚えのある背中だと気づいた。
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