第3章

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「お前、先に行くって言ってたじゃねーかよ。」 顔を近付ける早川くんのことを鬱陶しそうに一瞥してから、 「……朝の用事、なくなったんだよ。」 とだけ、玉置くんは呟いた。 何だかやけに声が小さかった。 「…そういえば、何で美雨ちゃんはいつもより遅いよね?どしたの?」 「えっと……家に忘れ物しちゃって……」 「取りに帰ったんだ?」 「まあ……そんな感じかな……。」 忘れ物をしたと思っていたのは勘違いだった、なんて言えなくて、私は曖昧に返事をした。 「それにしてもこの時間って」 「――あのっ!」 早川くんが口を開きかけた時、彼の後ろから女子の声が。 私も何となくそちらに目をやると、そこには女子高生が三人。 制服を見てみれば、うちの高校の生徒で。 校章の色からして、1年生、つまり後輩だった。 「バスケ部の、早川センパイ…ですよね?」 「うん? そうだけど?」 早川くんは、爽やかに笑った。 「やっぱり!センパイすっごくイケメンだから、すぐ分かりました!」 「オーラが違うっていうかすごく目立ってます!」 三人の女子は、きゃっきゃっ、とはしゃぎながら、さりげなく早川くんにボディタッチ。 「すごい……」 思わず、声が出ちゃってた。 .
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