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『○○駅、○○駅』
私と同じ制服を着た、うちの学校の生徒で、ホームはごった返していた。
私が登校するのはこの時間帯じゃないから、こんなにうちの生徒で混んでるところは初めて見る。
……正直、人混みは疲れる。
昔から出掛けることが少なくて、あんまり人混みが好きじゃない。
だからわざわざ登校時間を早めてるのに、今日の私ったら……。
「ほら美雨ちゃん、また置いてっちまうぞ。」
「わっ」
いきなり背中をぽん、と軽く叩かれて驚いた私は、思わず身体を強張らせる。
「人に流されちゃうから、気をつけないと。」
「…今度は大丈夫だもん。」
行動が遅いって言われてるような気がして、何か嫌だった。
集団行動は、確かに苦手ではあるけれど。
「……遅れるぞ。」
立ち止まってた私達を、玉置くんが追い抜いていった。
スタスタと涼しい顔をして歩いていく彼の後を、私と早川くんは慌てて追う。
……ていうか、今、気づいた。
私、一緒に学校まで行って良いのかな。
私みたいな地味な女子が、あんなにもカッコいいと有名で人気な二人と、一緒に登校なんて。
……いやいや、ダメダメ。
だって、もう既に――…。
「…ねえ見て、早川くんと玉置くん、一緒に登校してるよ!」
「ホント二人ともカッコよすぎるよね~」
「早川くんの制服の着崩し具合がいいよね?」
「ええっ、玉置くんのネクタイの似合い具合の方がいいよ?」
……あの視線の中を、一緒に歩いてたら何て言われるか。
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