第3章

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「あ、あのっ……!」 「ん?」 私が急に立ち止まったから、不思議に思ったのか、二人も止まって振り返ってくれる。 「わ、私、コンビニに寄りたいから、ここで……」 別に購買で買ってもいいんだけど、ここで別れるにはコンビニに行くしかない。 「また学校で……。」 「ふーん、そっか。じゃあまた学校でな。」 玉置くんは黙って私を見てるだけだったけど、早川くんは笑って手を振ってくれた。 二人の姿が見えなくなって、私はほっ、と安堵して。 駅のすぐ前にあるコンビニにとりあえず入った。 「いらっしゃいませ~」 店員さんの挨拶に迎えられて、私が向かうのはパン売り場。 「今日は何にしよ……」 豊富な品揃えに、毎回そうだけど迷う。 新商品なんかもいっぱいあって、それにしようかなって、いつも思うんだけど――…。 「……やっぱり、メロンパンにしよ。」 安くて美味しいメロンパンには、いつも勝てない。 外がサクッ、としてて、中がふんわりしてるところが好き。 「あとは飲み物、と……」 飲み物売り場に行って、商品を眺める。 メロンパンに合うのは、私的には牛乳みたいな乳飲料だけど、今日の気分は違って。 「……イチゴミルクでいっか。」 ピンクの可愛らしいパッケージを手に取って、私は足早にレジに向かった。 いつもより遅いんだから、遅刻しちゃう。 .
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