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「いらっしゃいませ~」
レジの店員さんに買う物を手渡して会計をしている間に、カバンから財布を出して。
「220円です。」
「あ、はい。」
220円ピッタリ渡して、レジ袋を受け取る。
「ありがとうございました~」
明るい挨拶を聞きながら、コンビニを出ると。
「――!」
出入口のすぐ横に人が立っていて、ちょっとびっくりした。
――と、思ったら。
ふと、足元に目が留まって。
すらっとしたその長い脚に、見覚えがあった。
誰だっけ?と思い出しながら、顔を上げてみると――…。
「――えっ、た、玉置くん?」
見てみれば、そこに立っていたのは、何故か玉置くんだった。
……さっき、早川くんと一緒に先に行ったはずなのに。
「ど……どうして此処に?」
「買い物しに来ただけ。」
手に持っていたレジ袋から、私に見せるように出したのは。
「……マスク?」
もうすぐ暑くなるのに、どうしてマスクを?
玉置くんはマスクの袋の封を切りながらも、何も言わない。
マスクを買ったってことは、風邪でも引いたのかな。
「――!」
そこまで考えて、ようやく思い当たった。
玉置くんは昨日、学校から私の家まで、濡れながら来たんだ。
――私が、彼の傘を借りてしまったからだ。
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