第3章

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「おー、何だか珍しい組み合わせだな。」 前方から声が聞こえて、私が顔を上げると。 ニッ、と白い歯を見せて笑う、うちのクラスの担任が立っていた。 ……いつの間にか、学校に着いていたらしい。 「えっと、たまたま駅で会って……」 「うっわ、武ちゃん何でいるんだよ!」 早川くんが突然、私の言葉を遮って、大きな声で叫んだ。 対する先生は、嫌そうに眉を寄せて、 「光輝、俺のこと武ちゃんって呼ぶなって言っただろ!お前のせいでみんなそう呼び始めたんだからな!」 武本先生だから、武ちゃん。 最近そう呼ぶ人が増えたなあ、と思ってたけど、早川くんが名付け親だったんだ。 「つか、マジで何でいんの?」 今度は早川くんが嫌そうな顔をして訊ねる。 すると先生は、持っていたバインダーを指差して、 「今日は早朝服装検査だぞ。夏服に切り替わったから、必ず着崩す奴がいるからな。」 そうだ、昨日の帰りのホームルームで言ってた。 明日の朝は校門に先生達が立って、簡単な服装検査をするって。 ……早川くんは、どうやら忘れてたみたい。 .
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