第3章

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あんなに先生が『明日は服装検査があるから、絶対に一発合格!』って念を押してたのに……。 「早朝服装検査とか、俺聞いてねーし。」 「俺はちゃんと、昨日のホームルームで言ったからな。 はーい、それじゃあ服装検査をしまーす。」 わざとらしく先生はそう言って、名簿のプリントを取り出した。 ちらっと見えたそれには、チェック項目が書かれていた。 「うん、水無月は今日も大丈夫だな……よし、合格。お前は本当に、真面目すぎるくらい真面目だな。」 「……どうも。」 真面目すぎるくらい真面目、なんて、嬉しいわけないけど。 まあ、とりあえず何の問題もなく合格できた。 「玉置もちゃんとしてるな、はい合格。 …あー、でもお前の場合、ネクタイはあんまり緩めすぎるなよ。」 「はい?」 先生の意味深な発言に、玉置くんは首を傾げた。 正直、私も分からない。 玉置くんがネクタイを緩めすぎることの、何が悪いんだろう? 特に玉置くんの場合って……? 「……女子が騒ぐんだよ。『玉置くんカッコいい!』ってな。ていうかもう既に女子が騒いでるしな。」 はあ、と溜め息を吐きつつ、先生は離れたところを指差して、言った。 .
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