第3章

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「朝から先生は面倒なことやってんのなー。」 「校則破る奴がいるから、ああいうことするんだろ。お前みたいに。」 「なっ、俺は校則破ったりしてねーし!」 「今日はたまたましてたからいいけど、夏場はいつもネクタイしてないだろ、お前。」 「何か秀司って最近真面目すぎねえ?高校入ってから急にキャラ変わりやがって……」 「……うるさい、余計なこと口にすんな。」 玉置くんがギロッと睨むと、「はいはい」と適当に返す早川くん。 ケンカするほど仲がいいって、こういうことを言うんだろうなあ。 本当に仲が悪いようには見えなくて。 ちょっと、楽しそうに見える。 「……美雨ちゃん、何で笑ってんの?」 「えっ? いや……笑ってなんかないよ。」 楽しそう、って思ってたのが顔に出てたのかな。 一人で笑ってたとか、ちょっと恥ずかしい。 「そ、それより……急ごう? もうすぐチャイム鳴っちゃうし。」 なんて、慌てて話を逸らそうとする私。 不思議そうな顔をしつつも、「そーだな、早くいこーぜ」と頷く早川くん。 でも玉置くんは、何か眉をひそめてこっち見てるし……。 一人で笑ってたこと、怪しまれたのかな。 それとも、楽しそうだなって思ってたことがバレた……とか? .
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