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伸びていく指に、口に含まれる熱い感触に身体の芯が溶けるような感覚を覚えた。
ダメ、膝がガクガクして立ってられない。
その場に座り込みそうになった時、しっかりと抱き留められた。
「……まだ、倒れちゃ駄目。
ちゃんと立ってろよ、色んなことするんだろ?」
不敵に微笑みながら少し冷たくそう告げられ、ゾクゾクする。
「……エ、エッチなのは樹利じゃない」
息を荒くしながら恨みがましく睨んでみせると、
「そうだよ、知らなかった?」
と少し強引に後ろを向かされた。
すぐ目の前にある鏡。
言葉を詰まらせた可愛に、樹利はニッと笑って、
「今から嫌ってほど分かるよ」
背筋を指先で撫でたその時、
背後で「バウッ」とニュートンが吠えた。
二人がゆっくり振り返ると、ニュートンが皿をくわえて座っていた。
「…………」
二人は一瞬無言になり、そしてプッと吹き出すように笑った。
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