第一話 『万有引力』

4/52
前へ
/531ページ
次へ
. 「リオンか、そういや最近会ってないな。テレビではよく観てるけど」 「そうだね、リオン君はオープンパーティとその後お店に来てくれて以来だから、もう三ヶ月近く会ってないね。 相川理子さんとはドラマで共演して友達になったみたい。 あっ、純粋なお友達だって」 「いかがわしいパーティ仲間じゃなくて?」 イタズラに微笑みながらそう尋ねた樹利に、可愛は「もう」と頬を赤らめた。 「リオン君はもうそういうことしてないんだから」 「そうだな」 樹利はアハハと笑い、 「あいつは結構お客さん紹介してくれてるよな。今度何かお礼しないと」 「本当だね。 オーダーメイドスーツでも作ってあげて」 「今、映画撮影もしてるみたいだしアカデミー賞用にタキシードとかな」 「ちょっと気が早い気もするけど、いいかも」 二人は顔を見合わせ、ふふっと微笑んだ。
/531ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23499人が本棚に入れています
本棚に追加