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再び坂を登り、開放されたこの家の門を潜ると、イギリスのガーデンを思わせる庭が客人を出迎える。
ここに引っ越してきてから二人で庭造りに勤しみ、時間をかけて樹利の祖母がいた頃のような状態に戻すことができた。
美しいガーデンに、まるで絵本の世界に足を踏み入れたみたいだった、と話してくれた人もいた。
元々、この洋館の持ち主であった彼の祖母が、『この家は私の宝』と言っていた気持ちが住んで尚分かった。
世の喧騒から外れた、心を癒す場所だと感じていた。
可愛が庭を眺めていると、樹利はゆっくりと隣に立ち、優しく肩を抱いた。
互いに見詰め合い、そっと唇を重ねて、コツンと額を合わせた。
「さっ、今日一日、がんばろうか」
「うん」
二人は奮起するようにハイタッチをし洋館を出て、敷地内のショップ『アリス』に向かった。
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