佐伯 洋斗

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「う……」 そう言われると、ぐうの音も出なくなる。 後二週間程で、中間テストが始まる。 高校生になって、初めてのテスト。 けど、勉強が全然分からかったり…する。 「市倉だけじゃないぞ。ちゃんと良い点とれよー?」 この言葉を最後に、チャイムが鳴り授業が終わった。 「中間テストか……」 いつものように、絢と咲良と昼ご飯を食べていると。 私は、数学の授業中の先生の言葉を思い出し、深い溜め息をついてしまう。 「ななちゃん、そんなに自信ないのー?」 咲良がパンをモグモグと口に含みながら、聞いてくる。 「あー…まあね。特に数学が壊滅的」 「そっかあー。数学って難しいもんねー」 「咲良はどうなの?」 「咲良?咲良はー…まあまあ、かな。けど、絢ちゃんは頭良いよー!!」 絢の方を見てみる。すると、そんなことない!と言うように首を振っていた。 「またまたぁ。あのねっ!絢ちゃんは中学の頃、学年で10位から落ちたことないんだよっ!!」 咲良は、まるで自分のことのように話す。
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