生徒会室

2/40
281人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
青佑side 何がお兄ちゃんは具合悪い、だ 余裕で寝こけてんじゃねーかよ 俺は今、長い長い廊下を、双子の兄、真白を背負って歩いている。 体育館で一人、酷く悲しそうに、辛そうに、苦しそうに寝ていたコイツ 多分、あの事を思い出してたんだろう あれは誰のせいでもない なんて、何度言っても真白は一生苦しむんたろうな なんとか、できないだろうか 罪悪感は消えはしないだろう でも、少しでもコイツが苦しまないように 俺にできることは… 「ぅあ、」 「起きたのか」 「やめろっ、来んなっ」 「おいどうした」 急に背中で暴れだした真白 またうなされてんのか 「大丈夫だ、俺がここにいる」 「あ、青佑?」 「そう、俺だ」 俺だと分かったのか ふっと真白の力が抜けた 顔は見えないが、何となく安心したような顔をしていると思う 体の力は抜けても、俺にしがみついている手はほどけない ホント寝てる時は素直だな 少しだけ、ほんの少しだけ 可愛いと思った 自分の兄貴にこんなこと思うのは、おかしいだろうか たまに、 コイツが他の野郎と喋ってるのを見ると イライラする 俺にだけ見せる顔とか、 俺にだけ見せる弱いところだとか、 他の野郎には見せないでほしい この気持ちは、きっとただの独占欲だ だって、俺はコイツの双子の弟だ それ以上の感情なんてあるはずない あっちゃいけない 俺は 弟だから 兄弟だから
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!