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さらに数日後、池内桃子という女がハローワークからの紹介でやってきた。彼女は正看護師の免許をもち、かつ医療事務も出来た。おれは即座に採用を決め本人に通知した。奈保子も桃子も翌日からくることになった。おれは常勤医、奈保子は常勤医兼務の看護師、桃子は看護師、靖子は事務。これでスタッフは揃った。普段は桃子と靖子が受付のカウンターに座り、奈保子がおれの補佐をする。患者の数もそれなりにいた。試しに翌日の診察を奈保子にさせ、桃子に奈保子の補佐をさせてみた。うまくいった。患者の評判も上々だ。おれも学会で発表しなければならない事がある。そんなときは奈保子に診察を任せよう。
おれは勤務医の時代に一度結婚したが、わずか2年で離婚してしまった。ちなみに看護師の桃子、事務の靖子は既婚者で奈保子は独身だ。
来月、大阪で学会があり、おれが論文を発表しなければならない。資料を作らないといけない。おれは奈保子に資料作りに専念したいから学会が終わるまで、奈保子に診察を頼んだ。奈保子は快諾してくれた。おれは安心した。やっぱり奈保子を採用して良かった。
翌日から奈保子が診察にあたった。奈保子は丁寧に患者を診察した。重病が疑わしい患者は迷わず本人・家族に伝え総合病院に紹介状を書いた。おれはその間ずっと資料作りに専念していた。
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