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人生というのは船旅に似ている。
歩き旅と唄われたり、決められたレールと蔑まれたりするけれど、僕にはこの例えがしっくりくるのだ。
歩き旅は安全過ぎる。命を奪われるような事はあまりないだろう。
決められたレールから外れることも、あまりに珍しいが故にセンセーショナルに扱われる。
その点、船旅というのはあまりに危なく、座礁転覆は大抵『付き物』として認識されている。
時化や凪、進めなくなる理由は沢山あって、一度外洋に漕ぎ出せば助けは期待出来ない。
計画性のない旅は、目的地に着くことなく終わりを告げるだろうし、どれだけ計画を練っても対応出来ない事は不意に襲い掛かる。
海を知る頃になれば、遠くへ向かうことを辞めて一つの港に腰を据える人の方が多い。
それぞれに思い描いた理想の港を目指し、僕らは漕ぎ出した。
そんな文句が人生にはよく似合う。
補給のつもりで立ち寄った港で恋に落ちたり、理想通りの港の現実は厳しかったり。
やはり、人生は船旅だ。
と、ここまでぐだぐだと考えてはみたけれど、僕の言いたいことはこんなことじゃあない。
素敵な台詞を言おうと頑張るなんて、僕のキャラクターじゃないのだ。
僕の一番言いたかったこと。
人生を船旅に例えたくなった理由はつまり。
人生も、船旅も。
揺れのせいで酔ってふらふらと足元が定まらなくなることがある、ということだ。
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