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「あんたか。俺達を呼んだのは」
戦士、カルデラ。
僧侶、キーロ。
魔法使い、カナ。
「つっても、一番まともなの選んだらこうなっただけだし……」
まあ、とりあえずこれで仲間はできた。
「それにしても、何であたしらを選んだんだい?」キーロが聞いてきた。
「一番ステータスがましだったから」
俺は何気なく答えた。
「ステータス……?何だそれ」
「生き物の体力、攻撃力、防御力、その他いろいろな力を数値に表したものだ。あんたら三人はそれが一番まともだったから選んだんだ」
キーロは難しそうな顔をして、
「……要するに、あたしらはその数値が高かったから選ばれたってことか?」
まあ、そうなるな。
「まあ、そうなるな」
「……まあ、別にいいけど」
「じゃ、これ。みんなそれぞれの武具防具」
俺は皆に武具防具を手渡した。
「………よし、準備は完了だな。じゃ、最後に一つ」
「まだあるの?」カナが不思議そうに聞いてくる。
「ちょっとな」
そう言って、俺は自宅へ向かった。
「母さん、そろそろいくから」
「あら、もう行くの?まだ時間あるでしょうに」
母さんは心配そうにこちらを見てきた。
「母さん、実は俺仲間の防具かうので所持金使い果たしちまったんだ。だから援助金くれないかな」
「……呆れた、とんだ仲間思いねえ。ほどほどにしなさいよセン」
しばらくして、満足そうに家を出る。
右手には、札が十数枚。
「……あんた、それどしたの?」カナが驚きの声を上げた。
「貰った」
俺は家を振り向きもしなかった。
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