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メタトロン Said
目の前にいる少年は黒髪黒眼の平凡な顔立ち。特にこれといった特徴もなかった。
あれ、さっき、神が間違って(限定版フィギアとかの応募に必要なパスワードを書く紙がなく近くにあった書類に落書きしたのが、生死を左右する書類とか)殺した地球の人間は女だったはずだが。
自然と顔が強張るのがわかる。
少年の顔が歪む。ヤバい、泣きそうだ。
「男が泣くな」
そう言って事情を聞くため、創世神ことオタ神を呼ぶ。うまくいけば、ついでにあの忌々しコレクションも処分出来ると、思ったが。
「チッ」
思わず舌打ちした。なんなんだ、この速さは。
仕方なく、問いかければ、口隠った後、念話で話かけてきた。
《あのさ~、さっき転生させた地球の凶暴な女なんだけど……》
《俺はこいつの事を聞いてるんだが?》
《だから、その凶暴な女が俺を殴る蹴るしたあげく俺の羽むしって、》
はあ、今なんか、とんでもないワードなかったか?
《それでね、この子なんだけど、ライゼリアの勇者召喚に巻き込まれそうになってね、》
何故か、瞳を潤ませて上目遣い、キモい……、殴りたい。
《ライゼリアの勇者召喚なら巻き込まれても死なねぇだろ。》
《巻き込まれは回避出来たんだけど、運悪く俺の羽が何枚か地球に落ちたらしくて、この子に刺さっちゃった、テヘッ!》
テヘッ、じゃねぇ。羽が刺さっただと。俺は目の前の阿呆の首に手を掛け力を込める。
《待って、それでね、そのショックで記憶ないみたいなの~》
俺の手は容赦なく力を込め、首を締めた。
メタトロン SaidOUT
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