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「俺、昨日靴買ってもらったんだー」
そんな些細なプチ自慢から、話題が一気にそれに集中する。
「いいなー」って声が飛び交う中、僕は無言で給食の唐揚げに箸を伸ばした。聞き耳を立てながら。
「この前のテストで頑張ったから買ってくれたんだ」
この前のテスト…。
直人君は８０点で僕は９２点だった。僕は何も買ってもらっていない。
「ねぇ、裕太君は？何か買ってもらった？」
「…何も」
僕は一言だけ答えて、唐揚げを頬張った。冷めきった唐揚げは出来立てには敵わない。
でもテストの点は良い点だったからといって勝ちだとは思えない。現に僕は今、直人君に負けたと劣等感を抱いている。
「裕太君は俺よりも点数よかったんだから、何か買ってもらえばいいのに」
僕は何も言い返さなかった。
口の中に唐揚げの味が広がる。
…まずい。
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