第一章*

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ガラガラ…と窓を開けると、思っていたより涼しい陽気に自然と笑顔になった。 「千夏、何してた?」 「あまりにも暑くて、干からびてたよ~」 「ふはっ、なんだそれ。」 太陽の光に反射して、冬真の笑顔はいつもより、眩しい。 いつからだろう? 私の中で、冬真がただの"幼馴染み"じゃなくなったのは。 私たちは小さい頃からずっと一緒で、大きくなった今もこうして、ベランダで話しをしたりする。 「そっち、行っていい?」 そう言われ、鼓動が速くなる。 私が小さく頷くと、冬真はベランダを乗り越え、こちらへやって来た。 「よっと。」 冬真が近くにいると、息も出来ないくらい、苦しくなる。 .
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