朝比奈なのに、「宵」?

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「次は朝比奈さんね。」 自己紹介。私が最も苦手とするもの。 しかも、今回は、自分の名前を黒板にかいて自己紹介するというものらしい。 ありえない。……マジで終わってる。 緊張で震えた手を握りしめて教卓に立つ。 今度は足まで震えてきた。 カチカチに固まった体と引きつった表情を誤魔化すように黒板に向かう。 ーーー大体、来たい高校じゃなかったんだ。 公立高校に落ちて、滑り止めで受けた中途半端な私立校。 中高一貫のせいもあってか、グループはもうできかかってるし。 校則はやたら厳しくて、地毛でちょっと茶色い私の毛は、先生たちの指導対象にドンピシャだ。 そのせいで、教室にくるまでに何度も呼び止められた。 膝丈を意識して折ったスカートも、なぜか校則の範疇なのに髪のことといっしょくたに注意された。 私、なんでこんなとこ、来ちゃったんだろ…。
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