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季節は9月、まだ残暑が冷めやらぬなか
エアコンがガンガンに効き、お昼のサイコロ番組が始まる中
見事に散らかった四畳半の部屋で
その男、栗山英進
(くりやまえいしん)は目覚めた。
「う~ん…今週は派遣の仕事があんまりないしヒマすぎるぜ」
小汚い布団から体を起きあげると真っ先に携帯を開く。
「おっ!伊織(いおり)さんからメールが来てる…む…」
メールを見て彼は押し黙った、そこには今日もお仕事ガンバってね(はぁと)と、書かれていた事に他ならないのだ
英進はこの伊織という女性と二年前にインターネットの友達掲示板で知り合った。同じ東京都内とゆう事で仲良くなり最初はメールだけのやり取りだったが徐々に電話もする様になり仲を深めた。
だが実際にはまだ会っておらず、英進は早く会いたいという気持ちと同時に、あんまり仕事をしてないという自身のだらしなさ故に一歩気持ちが踏み出せず、ただただ毎日同じ様なメールだけを繰り返していた。
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