序章―災厄再びⅠ―

2/6
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
囁かな水の音、緑の生い茂る森、その中央に一人の少女が佇んでいる。 髪は金髪、整った綺麗な顔、懐かしさすら感じさせる少女の顔に見覚えがある。 「セイ…バー。」 とっさに口を開いて呟いていた。 「士郎。」 ジリリリ!朝の目覚ましの音と共に目が覚める。彼の名前は 衛宮 士郎(えみやしろう) かつて、この冬木に存在する。大聖杯を求めて戦ったマスターの一人。 「久しぶりだな……セイバーの夢を見るなんてな」 セイバーとは彼がマスターとして戦った時のサーヴァントのことだ。 そして、彼が唯一 愛した女性でもある。 「まだ深夜3時か。」 その時だった。 ドーーン! 家の外の離れたところから爆発音が聞こえた!彼はすぐに家の外へ向かい爆発音のした方角をみた。 「……………」 彼は言葉を失っていた。何故なら彼が目にしたのはかつて、大聖杯を壊し、解体した場所だった 「…柳洞…寺…」 かつて彼等が聖杯を壊した場所である柳洞寺には炎が燃えうつり、空には黒い物体が見えた。 「そんな馬鹿な!あれは……聖杯」 家の門を出ようとした彼の前に一人の少女があらわれた。 彼女の名前は 遠坂 凜(とおさかりん) かつて、彼と戦ったマスターの一人であり半年前の大聖杯解体に協力した魔術の名家 遠坂家の現 当主である。 「士郎!」 彼女は家に来るなり彼の名前をよんだ。 「遠坂」 彼もまた彼女の名前をよんで駆け寄った。 「どういう事なんだ?遠坂!聖杯はお前達が半年前に破壊したはずじゃなかったのか!?」 「わからない!ただ考えられる事があるとすれば……」 「?」 「聖杯を破壊仕切れなかった。」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!