プロローグ

2/3
前へ
/3ページ
次へ
数万の星たちが輝き静かな夜に1人の男が廊下をそわそわしながら歩いていた。 金髪蒼眼ですこし筋肉質な体、威厳があるなかにも優しさが滲み出ているそんな顔をした男だ。 「ま・・・まだなのか・・・」 そう呟きながらしばらく廊下をうろうろしていたその時、「オギャーオギャー」と赤ちゃんの産声であろう鳴き声が廊下に響き渡る。 その声を聞いたその男は血相を変えて目の前の産声が聞こえてきた部屋に入って行く。 「産まれたかっ!」 そう言いながら勢いよく部屋にはいるとそこには真ん中にベッドがありカワイイというよりは綺麗と言ったほうが当てはまるであろう女性が少し疲れが見える状態で微笑んで、そのまわりをメイドたちが囲んでいた。 女性の近くにいたメイドの1人が「旦那様そんな急がなくても赤ちゃんは逃げませんよ」そう微笑みながら赤ちゃんを男に渡すと「おぉ、そうであったなすまない」と男は冷静さを取り戻し赤ちゃんの顔を見つめる。 赤ちゃんの顔を見るなり男は喜びのあまり涙を流し「でかしたぞエルザ」と小さく呟いてエルザと呼んだ妻であろう女性の頭を優しくなでる。 その様子を見ていたメイドが「元気な男の子ですよ」と男に報告をする。 「そうか!男の子かっ!これで我が家の後継ぎは決まりだなっ!」そう男は大きな歓喜の声をあげて笑った。 「名前は決まっているのガイア?」 エルザがそう先程から笑っている男にそう訪ねるとガイアと呼ばれた男は当たり前だと言わんばかりに頷き「キヅナ・・・仲間思いの優しい子になって欲しい願いを込めてこの子の名前はキヅナだっ」 そう言うとエルザは優しい笑顔をみせながら「素敵な名前」と言い終始笑顔だった。 その日の夜、そこの部屋は暖かい笑顔で満ちていた。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加