一日目

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 昔からあるとある商店街には、鰹節とお豆腐を売るお店がありました。  そこの店主さんは鰹節さんです。  全国各地の鰹節を自分の目と舌で確かめて、集めた鰹節がたくさん置かれています。  その奥さんで色白のお豆腐さんが着物の袖をたすきにかけて、水に浸かったお豆腐をパックに入れては、お客さんにお礼を言いながら渡していきます。  そこに元気に走ってくる小さいな子達が見えます。  お揃いの形で、それぞれ緑色と白の甚平さんを着た可愛らしい双子です。 「お母しゃん!ただいま!!」 「お母しゃん!ただいま!!何してうの?」  お兄ちゃんの万(バン)君はお母さんの腰に、妹の能(ノウ)ちゃんは万君の腰に飛びつき、お豆腐さんに聞きました。 「お客さんにお豆腐を渡してるのよ?ここにいたら水を被っちゃうから、少し離れた所で遊んでてね?」 *
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