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「で?話って何?」
「えっと単刀直入に言うね…好きです。付き合って下さい。」
「えっ!? ゴメン…」
やっぱりダメだよね…。
「このチョコ捨てていいから!!」
と言って逃げる私。やっぱり私には無理だったんだと痛感する。涙がこぼれそうなのを必死にこらえてその場を立ち去ろうとする私。
その時ギュッと瞬が私を抱きしめた。
「えっ」
身体全部心臓になったみたいにトクントクンと、高鳴る。心臓の音が瞬に聞こえそうで、心配になった。
「まだ話は終わってねぇよ。」
低くて、少しかすれた声が耳元で聞こえる。瞬の吐息が耳にかかって、余計ドキドキした。
「オレもミィの事好きだよ。」
「ウ、ウソだぁ…」
「ウソじゃねえよ。」
「だってゴメンって…」
「あーあれはそーゆー意味じゃねぇよ。」
「じゃあどーゆー意味?」
「んーと…なんてゆーか……お前の気持ちに気付かなくてごめんって事!」
瞬は顔を赤くしながら説明してくれた。
照れているからか一向に目を合わせようとしない。
私はそんな瞬を見てクスッと笑った。
「何笑ってんだよ。」
「だって瞬の顔赤いんだもん。」
「赤くなってねぇよ。てかお前のがひどい顔してるぞ?」
それは瞬が紛らわしいことを言うからでしょ!!
と思ったが事実ではありそうなので何も言えなくなってしまった。
黙り込んだ私を見て瞬は困ったように言った。
「あー言い過ぎた。ゴメン」
ふるふると頭を横に振ると瞬は照れたように手を差し出した。
私はどうしたのか分からなくて首をかしげていると…
「ほら、もう俺のカノジョなんだから手ぐらい繋いでもいいだろ。」
こうして私たちは新たなカップルとして手を繋いで家に帰った。
「ミィ瞬君と付き合えたんだ!よかったね!!じゃあ今度ダブルデートしようよ!」
「えっ!」
「えっ!」
瞬と私の声が重なった。
「今度だよ、今度。」
優花はそう言いながらイタズラっぽい笑顔を残して自分の教室へ帰ってた。
そう、優花は2組の雲海裕輝くん(通称ヒロ)と付き合っている。結構イケメンで瞬と同じくらいモテる。
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