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木下と貴子が俺をたずねてきたのは、暑い夏の午後だった。白いワンピースを着た貴子の腕の中では、赤ちゃんが眠っていた。
「元気そうだな」
俺は木下に言う。
「おまえも」
木下は笑って言った。
それから俺は貴子を見た。 「おめでとう。…何ヵ月?」「7ヶ月…」
「元気そうだな、貴子」
「おかげ様で」
貴子は笑う。
「…悪い…。急な会議が入っちゃって。…終わったら屋上に行くよ」
俺たちは1度別れた。
「あっ、ベビーベッドあっちにあるから」
俺は振り返って貴子に言う。「ありがとう」貴子が笑って言った。その声を聞きながらおれは"あの夏"を思い出していた。
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