プロローグ

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プロローグ

真っ赤な空の下に一人の少年がポツリとたたずんでいた。 彼の耳に響き渡るのは、天地が震えるような人間達の怒号… 鼓膜をつんざくような爆発音… ――何故、俺はこんなところにいるのだ? 少年は、頭では収拾がつかず、辺りを見回そうとした時だった。 「おい、エイジ!!」 少年――エイジは男の怒号で、はっと我に帰り、後ろを振り向いた。 しかし、そこには誰もいなかった。 「前進せえや!!」 だが、それでも声は彼の頭の中に響く。 ――ああ、もう! 一体何なんだ!!とエイジは半分自暴自棄になりながらも前に走った。 すると、どうだろうか? 今度は女の子の声がエイジの頭に響いた。 「エイジ君しかいないの… 戦争を終わらせるのは…」 ――どうやら、ここは戦場なのかとエイジは、一人合点した。 ――だが、気がかりなのは俺に託されているのは何なのかと疑問に思った。 しかし、彼はそんな疑問に混乱しながら、いう通りにしてみようと思ったのか、 怒号や爆音が飛び交う、おおよそ「喧騒」とは言いがたい場所に突っ込んでいった。 「頑張って下さい… エイジさん…」 先程とは違う女の子の声がエイジの頭に響いたが、今の彼はもうそんなことはどうでもよかった。 そして、エイジはその声に答えるように、こういった。 「任せろ!!」
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