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部屋を出てから廊下を歩くと、椅子に座る亮チャンを見つけた。 『行こう。』 そう言って外に出ると、春の風が吹いていた。 『亮チャン。』 『なんや??』 『内緒だよ。智久には言ったら駄目だから。』 『この街に帰ってきてることか??それとも、病院に運ばれたことか??』 そう言われて俺は亮チャンを見た。 『両方。』 『せやったら、俺の店に来い。そしたら、内緒にしたる。』 『亮チャンって、そういう人だよね。』 そう言って俺は亮チャンを見た。 『週一で店に行く。でも、ちゃんと教えてね。智久が来たらさ。』 『なるべく、教えたる。予測はできひんさかい。』 『お願いね。』 そう言って俺は歩き出した。 すると亮チャンに腕を掴まれた。 『これ、俺の連絡先。』 『亮チャン。』 『俺とかめは、近からず遠からずな関係やろ??』 そう言われて俺は笑った。 『いつか、ちゃんと病気のこと話せよ。』 『亮チャンって、相変わらず鋭い人だね。』 そう言って俺は亮チャンから連絡先を受け取った。 『忘れんなよ。ぴぃの親友やけど、かめことも大切なんやから。』 『ありがとう。送ってく。』 そう言って俺は車に乗り、亮チャンを送った。 それからまっすぐマンションに向かい、俺は聖の部屋の前で立ち止まった。 『かめ??』 後ろから声を掛けられて振り向くと、聖が立っていた。 『なんか、顔色が悪いけど大丈夫か??』 聖の心配そうな表情に俺は甘えたくなった。 『聖。』 『なに??』 『これ、食べて。』 そう言って俺はタッパを出した。 『ありがとう。』 『田口とは、まだ付き合ってるの??』 『一応ね。』 『そっか。』 そう言って俺は自分の家に入った。 入ってすぐに寝室に向かい、俺はベッドに横になった。 そして俺はすぐさま、眠りについた。
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