占い師メルと暇人王子様ギルテオ

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その日もメルは、たくさんの人で溢れかえる占い所を切り盛りしていました。 「こんにちは、バリナさん。今日は何を占いに来ましたの?」 「息子が高熱を出して、お医者様に診てもらったのに、いっこうに良くならないんだよ、どうしたらいいんだい?」 「それは大変ですね、早速手を出してくださいな」 メルにうながされたバリナさんは、急いで手を、ぐいっと差し出しました。 その手を両手で挟み込むように握り、小声で口ずさみます。
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