占い師メルと暇人王子様ギルテオ

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ひとりごちるメル。明日から王国の感謝祭の準備期間です。そのため、国民は自宅でとれた野菜や、手作りの人形、絵画、仮面などを感謝祭で使うために、最終準備に取り掛かるのです。 「あの・・・」 急に後ろに幼い男の子の声が聞こえました。振り返ると、綺麗な身なりの少年が佇んでいました。少年は目深に帽子を被っていて顔がよく見えません。 ですが、帽子から溢れる手入れの行き届いた金色の髪が、位の高い人の気品を醸し出しています。 メルはすぐに思い出しました。パステリア王国の王子様、ギルテオ様です。急にそんな人が現れたので、びっくりしました。 「ギルテオ様?このようなところにどうされたのですか?」
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