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「やれやれ……まさかあの兎に説教されるとはな……」
彼は兎美が飲んだ酒の分の勘定を払い、先にバーを出た。
空はいつか見た雨雲が立ち込める。
「……ちっ、嫌な天気だ……」
一人愚痴り街を歩く、多くの人が光輔とすれ違う。
フワッと、静かに黒髪を靡かせながら歩く女性がいた。
「……!」
バッ!
振り向いてもその女性は居なかった。
「……誰なんだ?」
あまりにも不吉な予感がした。
また何か大切なものを失う、そんな気がした。
黒い雨が降りだした。
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