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バーを目指すと人混みが少なくなった、やはり吸血鬼が現れたのだろうか。
しかし、目的地に着くといつもと変わりのないバーが建っていた。
「……」
光輔は一瞬、ほんの一瞬だけ思考が停止した。
指令では襲撃と書いてあったがここまで綺麗に残るだろうかと疑うほど外観は整い、ドアを潜ると そこはいつもの煩くも静かでもない賑やかなバーが目に写った。
「んー? どうしたー? こーすけー?」
兎美が酔っ払っていた。
「……」
兎美は平然と酒を飲んでいる、生きている目をしているため幻ではないのだろう。
この時、光輔は吸血鬼に血を吸われた場合の症状、もとい効果を思い出していた。
一つ、少量の血を吸われた場合、余程精神が強い者でない限りは傀儡と化す。
二つ、多量の血を吸われた場合、吸血鬼と化し、仲間を増やすか己の血を戻すために他の者を襲う。
三つ、一滴も残らず吸われた場合、死に、闇の中で永久の時を過ごす。
そして、その対処法は三つ目だけは二つ。
光輔は兎美に聞いた。
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