【2】脚立か梯子を貸してください

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一通り仕事を終えた僕は、事務所に戻りました。 「行ってきました!」 僕は大きな声で言いました。 「おかえり、おつかれさん」 車椅子に乗った大輔さんが労ってくれました。 「それで、どうだった?」 大輔さんが尋ねます。 「色々ありそうですよ、あの火事」 僕は大輔さんに、アパート火災に関する情報を話しました。 火事の原因は寝タバコだったこと。 亡くなった上村さんはホストで、事故前夜には帰っていたこと。 完全な密室だったこと。 火の回りが早かったこと。 死因が灰を吸い込んだ窒息死、肺不全であること。 下の階の下谷さんのこと。 その隣の階の中林さんのこと。 カノジョらしい左右田さんのこと。 その他もろもろ。 「なるほど、なんとなく分かった」 大輔さんが早くも謎を解いたようです。 「これは計画的な犯行、だな」 大輔さんが人差し指を立てました。 解決フラグが立ちました。
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