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ーこの人だ…ー
目の前に立つ彼女に純は見とれてしまった。
彼女の笑顔…
少したれ目
真っ黒いビー玉のような瞳
日に焼けた小麦色の肌
純は瞳を奪われて動けなかった。
「どうかした?」
と不思議そうに佳乃に顔を覗かれて、純はハッと我に返り
「いえ、よろしくお願いします。」
と答えた。
「純ちゃんのことは前から知ってたよ。ねぇ、佳乃?」
とトモが言った。
「うん。有名だよ!運動会とか行事で大活躍してるもんねー!」
トモと顔を見合わせて佳乃が言った。
純は自分が彼女に知られていたと思ったら、なぜか顔が熱くなった。
「あ…ありがとうございます。」
と答えるのが精一杯だった。
すると佳乃は満面の笑顔を浮かべて
「敬語使うのなし!一緒に頑張ろうね、純!」
と言った。
ー 純 ー
佳乃に自分の名前を呼ばれ、胸がぎゅっと苦しくなった。
ー 何なの?こんなの初めてだ… ー
純は戸惑った。
「休憩終わりー!集合!」
キャプテンの美香の声が聞こえて、練習が再開された。
ー 佳乃ちゃん ー
彼女のことが気になって仕方ない。
ー どうしちゃったんだろう?私… ー
純はそのときはまだわかっていなかった。
それが恋だと
それが初恋だと
そして…これから始まるラブストーリーのことを
純は佳乃に恋をした。
出会ったその日に…
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