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「おいバート・・・。お前さん、うちのノアを紹介する代わりに何か商売したんじゃねーだろうな?」
「ばばばば馬鹿言っちゃいけねぇよ。俺はただ、こちらのルインさんに武器の大量注文をして頂いたついでに魔計器のお話を聞いただけだ!」
「はぁーん?と、こいつは言っていますが、どうなんです?」
「いやー。ハッハッハ。」
少々困ったような愛想笑いを浮かべるルインという老人。
三人の応対を見て、なにか思いついたのかニヤリとノアが笑う。
「なぁオヤジ。1割はオレの小遣いってことで、どうだ?」
その言葉に息子が何を考えているのかをすぐに理解する父。これぞまさに親子愛。
「よし!いいだろう!お前の商売人の息子としての腕前を見せてみやがれぇ!」
「「フッフッフッフッフ。」」
不吉に笑うアルスタッド親子。
この親子の会話を横で聞いていてもニコニコと笑いを浮かべるルイン老人。
「わかりました。こちらでお売りしている魔道具や魔導書などを買わせて頂きましょう。」
「話しが早くていいねぇ。でもしかし!大事なのはその金額にもよるんだよねぇ。武器屋のおっちゃんは要は紹介料で、オレの場合は直接作業をしなくちゃあならない!」
笑顔で了承してくれたルイン老に対して更に大胆な要求をするノア。
流石は商売人の息子である。
「成る程。わかりました。では成功報酬として、これくらいでいかがでしょうか。」
そう言って懐から拳二つ程の袋を取り出してルイン老人はカウンターにそれを置いた。
「んーどれどれー?」
「「「!!!!!」」」
ノアが袋を開いて中を見ると同時に三人で吃驚して固まってしまった。
開いた袋の口からは、袋いっぱいの金貨が見えた。
「おや、まだ足りませんかね。」
そう言って困った表情のルイン老人。
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