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「ととととんでもありません!!こんな大金・・・店の商品全部売ってもお釣りがきますよ・・・。これでやらせて頂きます!」
「それは本当にありがたいです。この魔計器の貴重さを考えるとこれでも全然足りませんので・・・。」
「こ、こ、こ、この魔計器ってそんなにすげーのか!!」
「ええ。それで、どれくらいの日数で修理できますかね?」
三人の驚きを意に介さず、質問をするルイン老人。
「んぁ?とりあえず部品はこれでほとんど揃ってんだろ?それならこんなのすぐに直せるよ。」
「これで部品は全てだと思いますが・・・。失礼だがこのお店にそんな大規模な工房があるとは思えないのですが、すぐに直せるのでしょうか・・・。」
本来魔道具の開発や修理・改造などは、その魔道具の性能に比例して大掛かりな工房が必要とされる。
しかしこの『アルスタッド』にはそんな環境は揃っていない。
見る限りではそんな大規模な工房施設があるようには見えないので、ルインは困惑してしまった。
「そんなもん必要ねーって。」
そう言ってノアはカウンターの上に置かれた壊れた魔道具に開いた掌を掲げる。
するとノアの手が淡く光り、その光が魔道具を包む。
光をあてられている魔道具は、ヒビの入った水晶部分、割れてしまった金属部分などがまるで時間を逆行していくように段々と元の状態に戻っていく。
「はー。いつ見ても坊主の魔法は便利だな。」
「全くだ。これがあるからってこいつは悪さばっかりしやがってなぁ。」
のん気にそんな会話をする二人と、二人の会話など耳に入らないほどに驚愕しているルイン老。
そんな三人のことなどお構い無しに魔計器は元通りの形に復元された。
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