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アスラクト家の二人娘の姉妹といえば、このコーリスでも有名な美人姉妹である。
姉のアリエル・アスラクトは優しく淑やかな美人姉18歳。
妹のシエル・アスラクトは優しく元気な美人妹15歳。
ノアはシエルと同い年の15歳で、生まれた時から三人は幼馴染である。
いつも何かとアリエルに面倒を見てもらっていたノアは優しい年上のアリエルが大好きだった。
シエルとは小等部・中等部と同じ学年で、全て同じクラスという腐れ縁状態。
しかも互いのファミリーネームがア行なので何かといつも一緒に過ごしてきた。
年頃のノアにとってはいつも一緒の口煩いシエルよりもアリエルに憧れるのは仕方が無い事である。
面倒ながらも自宅である店のドアを開けて中に入る。
「今帰ったぞー。」
やる気無くそう言った瞬間・・・。
「遅いぞノア!てかなんでお前は家に居なかったんだ!今日は前から店番だって言ってあっただろう!」
ノアの父親であり骨董品屋『アルスタッド』の店主であるコルト・アルスタッドの雷が落ちる。
あまりの怒鳴り声の大きさに隣近所の店から客がアルスタッド家のほうを覗いてくる。
怒鳴られた本人であるノアはというと・・・。
「ん?もう説教終わったのか?」
両耳の周りに小さな防音結界の魔法を展開して耳栓がわりにしていた。
怒鳴られる事があらかじめわかっていたのでドアを開けると同時に魔法を展開していたようだ。
「はぁ・・・。この馬鹿息子は・・・。折角の魔法の才能をそんな事で生かしやがって・・・。」
そう。ノアには魔法の才能があるのだった。
と言ってもそれはコーリスの街の中で同年代の少年たちの中ではという事で、世界的にはそんなに大したことでは無い。
それでも親心としては、自分の息子が街一番の魔法の才能があるという事は誇らしいのであった。
当の本人はその才能を、今のように小賢しい魔法の開発などに費やしていた。
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