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佐藤は司令室に着き、椅子に腰掛けた。
「佐藤さん、お疲れ様です」
声を掛けてきたのは、オペレーションの女性。
「あぁ、ありがとう」
佐藤はニッコリと笑い、返事を返しながらモニターを眺めた。
地図上には赤い点は一つもない。
「平和だ……」
そう呟いた。
しかし、平和はそう長くは続かない。
地図上に赤い点が一つ出現した。
それで収まらず、さらに一つ、そしてもう一つ、さらにと、どんどんと赤い点が増えていった。
緊急事態である。
そして赤い点が百個近くに上昇したところで、建物内に警報が鳴った。
皆慌ただしく動き出す。
葉桜達は、何が起きたのか分からず茫然と立ち尽くしていた。
そこに梶が通りすぎる。
葉桜は梶を睨んだ。
梶は葉桜と目が合ったが、お前に構ってる暇はないという目付きで、そのまま通りすぎた。
なんなんだあいつは!
葉桜の心の声。
司令室はパニック状態に陥っていた。
ここまで大量にメディスが出現したことは、久々であったからだ。
佐藤はモニターを眺めている。
その顔はだんだんと曇っていき、驚いた顔を見せた。
「これは……」
モニターの地図上には、黒色の点が出現した。
「まさか……!」
佐藤は司令室を飛び出した。
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