特訓

5/6
前へ
/127ページ
次へ
「まずは……これを使って自分がどの系統かを判断するんだ。」 剛力が持ってきたものは機械で、モニターと、それに繋がった鉄で出来た手形のようなものだった。 「これに手をかざせば、自分がどの系統かモニターに出てくる仕組みになっているんだ」 感心するように、斑目は機械を見ていた。 そして順番に手をかざしていく。 初めは女の子で、まだ高校生ぐらいであろう。背は小さく、ロングヘアーで可愛らしい子である。名前は南 沙希(みなみ さき) モニターには、光と書かれていた。 「おお!君は光か!光は治癒の詠唱を使えるんだ。なかなかいない、レアな系統だよ。」 南は少し嬉しそうな顔をしていた。 系統は6種類あり、火、水、風、土、雷、光である。 火→攻撃力に長けた力。 水→バランスの良い力。 風→スピードに長けた力。 土→防御に長けた力。 雷→扱いづらいが、全てに長けた力。 光→唯一、治療を行える力。 この中でレアな系統は、雷と光。 系統探りは、どんどん進んでいき、葉桜の番になった。 葉桜は少し緊張気味であった。 全部使えるようになりたいとう願望があるため、ひとつしか出なかった場合ショックだからだ。 葉桜は手をかざした。 目をきゅっと瞑る。 モニターに映し出されたのは、エラーであった。 「は?」 葉桜は拍子抜けした。 「おかしいなー、もう一度手をかざしてみて」 剛力にそう言われ、もう一度手をかざしてみる。 今度は正常にでた。 結果は風とでた。 「なんだよー」 ちくしょー これじゃおれは凡人って事か? でも……全部使えるからって、全部出るとは言ってないし……出なかったとしても関係ないんじゃないか? 葉桜の考えは打ち砕かれる。 最後に斑目が手をかざした。 モニターには、全ての系統が写し出された。 葉桜と斑目は目が合った。 葉桜は、俯きながら悔しそうな顔を浮かべた。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加