0人が本棚に入れています
本棚に追加
男の説明が終わる。
男は皆に入る意思があるか聞いた。
皆は、入りたいと答えた。
それは必然である。
なによりもまず、自分の身を守りたいからだ。
しかし、葉桜だけは組織に入りたいとは言わなかった。
プライドが邪魔をするのか、苦い顔をしながらも志願することはなかった。
「根性のねえーやつだな!おれなら襲ってきたメディスをブチ殺してやろうと思うがね」
梶は、葉桜が入らない事に苛立っていた。
「イヤ、しかし……彼を見てると思い出しますね……カイ君を……彼が入ってきたのも、あれぐらいの歳でしたから……」
佐藤は遠くを見ながら呟いた。
その言葉に反応した梶は、舌打ちをしながら背を向け、その場を去っていった。
佐藤はその光景を見ながら何かを思い出すように遠くを見つる。
一呼吸置いて、葉桜に歩みよった。
「葉桜君だよね、私は佐藤といいます。君はなぜこの組織に入りたがらないのかな?」
「決まってるじゃないか!こんな怪しい組織なんかに誰が入るか!」
葉桜は少し興奮気味に言った。
佐藤は落ち着いた口調で葉桜を諭した。
「大丈夫。君が思っているような所ではないよ、ここは。」
一つ間を置いて口を開いた。
「そうだ!もう少しだけ見学してみたらどうだろう?それにまだ外に出られるほどメディスの匂いは消えてないからね。」
葉桜は匂いが消えていないとい言葉に、渋々了解するのであった。
最初のコメントを投稿しよう!