騎士

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男の説明が終わる。 男は皆に入る意思があるか聞いた。 皆は、入りたいと答えた。 それは必然である。 なによりもまず、自分の身を守りたいからだ。 しかし、葉桜だけは組織に入りたいとは言わなかった。 プライドが邪魔をするのか、苦い顔をしながらも志願することはなかった。 「根性のねえーやつだな!おれなら襲ってきたメディスをブチ殺してやろうと思うがね」 梶は、葉桜が入らない事に苛立っていた。 「イヤ、しかし……彼を見てると思い出しますね……カイ君を……彼が入ってきたのも、あれぐらいの歳でしたから……」 佐藤は遠くを見ながら呟いた。 その言葉に反応した梶は、舌打ちをしながら背を向け、その場を去っていった。 佐藤はその光景を見ながら何かを思い出すように遠くを見つる。 一呼吸置いて、葉桜に歩みよった。 「葉桜君だよね、私は佐藤といいます。君はなぜこの組織に入りたがらないのかな?」 「決まってるじゃないか!こんな怪しい組織なんかに誰が入るか!」 葉桜は少し興奮気味に言った。 佐藤は落ち着いた口調で葉桜を諭した。 「大丈夫。君が思っているような所ではないよ、ここは。」 一つ間を置いて口を開いた。 「そうだ!もう少しだけ見学してみたらどうだろう?それにまだ外に出られるほどメディスの匂いは消えてないからね。」 葉桜は匂いが消えていないとい言葉に、渋々了解するのであった。
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