小話

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そこにはなにもなかった 僕と君以外 なにも だけど ある日聞こえた 子供の 声 「お父さま!お母さま!」 お父さま? お母さま? なんだろう、それは どこか心地のいい響き ふとこの暗闇の世界にほんの小さな亀裂 僕がそこを覗き込むと見えたのは小さな子供 大人の人と一緒に 笑ってる 楽しそうだなぁ その時僕に1つの心が芽生えた それは“好奇心”だった 僕は外の世界に“興味”を抱いてしまった その日から外をよく覗いた そして知った 外にあるもの 人、大人、子供、時間、朝、昼、夜、木、草、土、花、風、雪、雨、雲、青空、太陽……… ─────ひかり。 ここにないものばかり いいなぁ、触れてみたいなぁ もっと近くで感じてみたい Next...
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